一月の夢は回りて
新しい年を迎えてはやひと月になる。この一月をふりかえって日記風にたどってみたいと思う。拙い句(俳句らしきもの)を添え。
- *元旦
- 年賀状に一行書いた拙句。
〈初春やいのち光れと掌を合わす〉
皆が、平穏に暮らす年であるようにと祈る。
お屠蘇を頂いて良い心持ちでいると、お檀家からの電話。母上が逝去されたという。帰省中の娘に運転してもらい枕つとめに伺う。
えりもとは思えぬ快晴。無風の好天。帰路思わずお檀家宅の近くの巨大風車の立つ小山に、寄り道してもらう。ご冥福を天に祈る。
〈元朝の山の風車の風の音〉
〈初御空晴れて静かに回る夢〉 - *四日
- 二年前に亡くなった母の大祥忌(三回忌)
法要は暮れに身内のみで済ましていたので、線香を手向け寺を出る。本日から年始の挨拶をしながら経をつとめて、各お宅を日々回る。幸いの好天続き。名物の西風も止んでいる。
〈寒まえの母の忌日に灯をともす〉
元旦になくなられた方の、通夜をつとめる。
読経の後の説教で、一休禅師の狂歌を紹介する。
『門松は冥途の旅の一里塚
めでたくも有り めでたくも無し』
参詣者に語っているが、実は自己にもである。
〈冬(そうび)仏間にありて香りけり〉 - *五日 寒の入り
- 若い時は、昼間お檀家を歩き、この日の夕暮れから、托鉢の寒修行に歩いていた。昨今は身体への負担も考え、一月後半からつとめている。(とっくに古希を過ぎての年男です)
葬儀と忌中引き(骨上げ法要)の後、年始経から帰る夕暮れ時、法華寺(日蓮宗)の住職さんが、太鼓を叩いて回っている音がする。思わず心の中で、エールを送る。
〈亡き師父の策励受けて寒の入り〉 - *十日~十一日
- 妻の病院のお供(運転)をして、十勝帯広に。
激しい雪の時もあるので、あらかじめ休みをもらって、ホテルに泊まる。しかし例年になく雪が少ない。夕食で一杯やり、温泉大浴場に何度も入り乍、合間におのおの本を読む。
買ったばかりの『本日はお日柄も良く』(原田マハ著)を、一気に読了。両日とも晴れ。
翌日は、十日に封切りされたばかりの映画『孤独のグルメ』を観る。松重監督なかなか。
二人で一月に映画とは、初めてかも知れぬ。
〈冬日和どこまでも続け十勝晴れ〉
〈北酒場グラスに氷柱折り容れて〉 - *十五日 小正月
- 前日雪が降り、寒中らしくなった。睦月もあっという間に半月が過ぎてしまった。
二月岩手県宗務所のお招きを受けて盛岡に伺い、「農福連携」について話す予定がある。その予習として、宮沢賢治について調べ、文献を読んでいる。賢治の独自の世界の煌めきに魅せられながら、その思想に深い影響を与えた『法華経』についても学んでいる。
〇参考文献〇
今野勉『宮沢賢治の真実』(新潮文庫)
澤口たまみ『心象スケッチ十の旅』(岩手日報社)
松原泰道『法華経入門』(祥伝社新書)等等
しかし、あちこちと目が回り、目移りしては、違う本を読んでしまう。悪い癖。
〈冬波止場波揺蕩(たゆた)ひて龍眠る〉
〈冬日和沖眺めいる浜人(はまど)かな〉 - *二十日 大寒 二十日正月
- 大寒を迎えて、少し焦りを覚える。寒修行もはじめなければ、『法華経』も読まねばと。
一部の地域では、二十日正月を「骨正月」や「頭正月」と呼ぶ。正月飾りを片付け、余った祝膳や餅を平らげ自然の実に感謝する。一部の地域では、塩ぶりの頭や骨を煮込んで一緒に食べることから、先の名称になったらしい。鱈ちりに、餅いれたらどんな味かな?
今年も健康で食も良く、存分に働けるように、到来物を感謝して頂く。合掌。
〈あらたまの骨正月にアラ汁食べ〉
〈川氷り埠頭凍りて風の町〉
令和七年も、ご愛読お願い申し上げます。
(続く)

えりも町上歌別の風車

穏やかな日のえりも築港

十勝広尾町のフンベの滝
悲しいことも辛いこともありますが、元気を出してまいりましょう!