我が国に禅宗が伝えられてから七百余年になります。私たちの祖先が選んだ宗派、曹洞宗は、道元禅師(高祖)によって開かれ、大思想書といわれる「正法眼蔵」を中心に瑩山禅師(太祖)を始め多くの名僧によって布教・伝法がなされ、今の大宗団となりました。現在では全国に1万4千余ヶ寺、檀信徒数約八百万名といわれております。
禅宗には、臨済・曹洞・黄檗の三宗があり、禅宗の三派といわれております。共に坐禅によって修行の手段として、教外別伝不立文字といって何等の経文もいらず、以心伝心によって大悟しようというものであります。
釈尊霊鶯山にて説法の壇に上り、黙然として一語も発せず、一輪の花をひねって聴衆に示したが、何人もその意を悟る所がなかった。その時大迦葉一人ニッコリほほえんだ。これを拈華微笑といって、禅宗のはじまりとなりました。有名な達磨は禅宗二十八代の祖、それが慧可に伝わり、弘忍の次に慧能と神秀が南北二宗にわかれ、南宗慧能から臨済、曹洞等の三派が流れ出ました。わが国の禅宗を初めて伝えたのは栄西で、これは臨済宗の開祖となっています。栄西は実に一代の名僧で、聖福寺・建仁寺を興し、源実朝に招かれて鎌倉に寿福寺を開き、その後相次いで名僧が出て、各々一派をなしました。臨済には十四派ありますが、併し宗旨には何等異なる所なく、ただ、本山の開基を異にしているだけです。臨済中興の祖といわれる白隠は妙心寺の第一座です。
曹洞宗は道元禅師が安貞2年(1228)、後白河天皇の御代に帰朝して初めて伝えたもので、坐禅の道場を建てたのは道元禅師をもって最初とします。越前の永平寺はその開基です。横浜鶴見の総持寺は、能登から移転したもので、瑩山禅師の開基にかかるものです。禅宗はその激しい修身と、真心道場不立文字等の宗旨がよく、武士の気風と合致したので、武士階級に信仰が多く、今日でも真宗に継ぐ第二位の信徒を有しています。
| 宗 名 | 曹洞宗(そうとうしゅう) |
| 宗 旨 | お釈迦さまがお説きになった数多くのみ教えは、みんな「坐禅のさとり(正法)」が、根本になっており、さとりは仏教の正門であります。この「さとり」を代々の祖師方が、ひとつの器の水を、そっくりそのまま次の器にうつすようにお伝えになったのが、わが曹洞宗で、身も心も坐禅に打ち込み、坐のすがたそのままが仏であると「さとる」これが宗旨の本体であります。 |
| 本尊さま | 曹洞宗の本尊さまは「南無釈迦牟尼仏」お釈迦さまであります。 お寺によっては観音さま・薬師さま・地蔵さまなどを本尊としておまつりしてありますが、それはそのお寺を建てた由来や、その当時の土地の事情による特別なものでありまして、曹洞宗の本尊さまというときは、お釈迦さまであります。ですから、檀家のお仏壇の本尊さまも、お釈迦さまをおまつりすることになります。 おがむときは、「南無釈迦牟尼仏」(なむしゃかむにぶつ)とおとなえします。 |
| 両大本山 | 永平寺(福井県永平寺町) 高祖道元禅師さまの御開山 総持寺(神奈川県横浜市) 太祖瑩山禅師さまの御開山 |